2025年3月に定年退職して、もう数ヶ月が経ちました。
会社勤めが終わり、ようやく自由な時間を得たはずなのですが、完全な“自由”というのも、案外手に余るものです。
そんなわけで、退職後はハローワークに通いながら、少しずつ再就職のことを考えています。
今のところ、月に2回のペースで通っています。最初の頃は勝手がわからず戸惑いましたが、最近はだいぶシステムにも慣れてきました。
ハローワークに行くと、まず受付を済ませ、指定の端末(パソコン)で求人検索を行います。
その後、気になった求人票を何枚かプリントアウトしたりして確認。
別の用紙に、再就職活動した実績を書いて、それを窓口に持っていくと、面談があり色々聞かれたり、アドバイスを頂いてスタンプを押してもらえます。
このスタンプが、いわゆる「求職活動の実績」として扱われるんです。
これが月2回で、いわゆる失業保険が給付されるということです。
それがどうも、自分には子どもの頃のラジオ体操を思い出させます。
夏休み、朝早く起きて体操をして、係の人にカードにハンコを押してもらっていた、あの頃の感覚です。
なんだか不思議な気分になります。年を取っても、人はやっぱり「スタンプをもらうこと」で認められたような安心感を感じるものなんですね。
求人検索では、毎回いろんな職種を見ています。
ただ、60歳を過ぎた今となっては、なかなか条件のいい求人には出会えません。
目につくのは、やはり警備員や介護職、運転手、スーパーやホームセンターでの商品補充といったものが中心です。
どれも必要とされている仕事であることは間違いないのですが、やはり体力が必要ですし、長時間の勤務が求められることも多いです。
私は過去にクリエイティブな仕事をしていました。
文章を書いたり、企画を立てたり、映像の制作に関わったこともあります。
ですが、そういったスキルを求める求人はほとんどありません。
この年齢になると、過去のキャリアや技術よりも、「今すぐ現場に立てるか」「身体が動くか」が重視されるようです。
求められる人物像の変化を目の当たりにすると、正直少し寂しい気持ちにもなります。
ですが、それもまた現実。
いくら過去にどんな仕事をしていても、今の社会が必要としているのは、また別の能力や人材なのだということなのでしょう。
結局のところ、今は割り切って考えるしかないのだと思います。
贅沢を言わず、無理のない範囲で働ける場所を探す。
それが自分の健康にも、心にも、一番良いのかもしれません。
とはいえ、ハローワークのパソコンで求人票をめくりながら、「自分にできそうな仕事、どこかにないかな」と探すのも、悪いものではありません。
少しだけゲーム感覚というか、宝探しに似た楽しさもあるんですよね。
来週もまた、ハローワークに行きます。
窓口でいつものようにスタンプを押してもらって、ちょっとした達成感を感じながら帰ってくるのでしょう。
そんな日々が、今の自分の「仕事」なのかもしれません。
