いよいよ、定年退職まであと1週間となりました。
昨日の日曜日、会社に出向いて、これまで使っていたデスクとロッカーの整理をしてきました。
いわゆる“片付け出勤”というやつです。
長年の仕事道具や書類をひとつひとつ見直しながら、思い切って捨てていく。
引き出しの奥からは、いつのものか分からないメモ帳や、懐かしい写真、古い名刺……。
ひとつひとつが「サラリーマンだった自分」を思い出させてくれて、ちょっと胸が熱くなる瞬間もありました。
そして帰る頃には、ほぼ何もなくなったロッカーと机。
そこに立っている自分が、なんだか他人のようにも感じました。
よく「定年退職後は無気力になる」と言われます。
確かに、長年続けてきた日々のリズムが突然なくなるわけですし、社会とのつながりがふっと途切れたように感じる人も多いのかもしれません。
でも、不思議なことに——
私は今のところ、無気力にはなっていません。
むしろ「これから何をしようか」と考えるだけで、ちょっとワクワクしています。
時間があるからこそできること、ずっと後回しにしていた趣味、興味のあった分野の勉強、そして家族との時間。
人生の新しいページがようやく開けた、そんな前向きな気持ちです。
ただ、まったく寂しさがないかと言えば、嘘になります。
長年通い続けた通勤路、同僚たちとの何気ない会話、忙しさに追われる中で感じた達成感。
そういったものに、もう“定位置”として関わることがなくなると思うと、やはり寂しいですね。
それでも、「無気力になる」と決めつけずに、自分なりのペースで次の章を始められたらいいなと思っています。
定年は、終わりではなく“もう一つのスタート”。
そう思える今の自分の気持ちを、大切にしたいです。