ゴールデンウィーク最終日、ちょっと気になるニュースが目に入りました。
「GW明けに退職代行の依頼が急増する」というのです。
思い返せば、私たち昭和世代の頃から、「GW明けに会社を辞める人が増える」というのはよくある話でした。
ただ、当時は自分で辞める意思を上司に伝えるのが当たり前。
ハードルも高く、決断にもエネルギーが必要でした。
ところが今は、「退職代行」というサービスのおかげで、そのハードルがぐっと下がっています。
退職代行が連休後、新卒者に増える

ニュースでは、今年4月に入社したばかりの新卒社員が、わずか数週間で退職代行を使って会社を辞めたという事例が紹介されていました。
理由は、「求人内容と実態が違う」「雇用条件に不信感がある」など。
つまり、「話が違う」というやつです。
入社前の説明と、入社後の現実のギャップ。
これに直面したとき、昔なら「もう少し我慢してみよう」と耐えたかもしれませんが、今の若い世代はそういった無理をしない選択をする傾向が強まっているようです。
私も新入社員の昭和63年のころ、「話が違う、長時間労働で低賃金すぎる!辞めてやる!」と
思いながらもう少し我慢していました。

5月病で退職は昔からあった

「5月病」という言葉は今に始まったものではありません。
昔から、ゴールデンウィーク明けに会社に行けなくなる人、辞める人というのは一定数いました。
特に新卒や異動したばかりの社員は、4月の緊張感と新しい環境への適応にエネルギーを使い果たし、連休で一息ついたところで一気に心身のバランスを崩してしまう、というケースが多かったのです。
私たち昭和世代の頃にも、「5月で辞めたら根性なしだ」と言われつつも、実際には「辞めたいけど言い出せない」という人が多くいました。
今よりも社会的なプレッシャーや我慢の美学が強かった時代です。
今の若い世代は、「無理なものは無理」と割り切りが早いとも言われますが、これは単なる“逃げ”ではなく、自分を守るための選択肢が増えたとも言えるでしょう。
退職代行は、そんな選択肢の一つ。
昔は「根性」で耐えていたところを、今はサービスの力を借りてスムーズに区切りをつける時代に変わってきたのかもしれません。
そして、退職を実行する手段として、退職代行の利用が選ばれるみたいですね。

退職代行便利だからこそ、慎重に
若い世代の中には、他人と衝突することを避けたい「回避的」な性格傾向を持つ人も多く、そうした人は自分で上司に辞意を伝えること自体が大きなストレスになります。
そのストレスを避けるために、退職代行が“気まずさを回避できる手段”として機能しているようです。
「手軽に辞められる」ことは、一見すると魅力的ですが、退職代行を利用した経験者は「迷っている中で使うと後悔するかもしれない」と語っています。
退職も、転職も、そして代行を使うかどうかも、人生の大きな分岐点です。
気軽に決められる時代だからこそ、一度立ち止まって考えてみる時間を持ってほしい。「後悔しない選択」をするためには、自分自身の気持ちに正直になり、信頼できる人と相談することが大切です。
どんな選択をするにしても、「あなたの人生の主役は、あなた自身」です。
GW明けの月曜日、つらい気持ちを抱えたあなたに、少しでも心が軽くなる道が見つかりますように。