最近、なんだかテレビを見ていると、音楽教室のCMがよく流れてる気がします。
「大人になってから始める音楽」「初心者歓迎」「ゆっくりペースで」…なんだか心に響く言葉ばかり。
そしてふと思い出しました。
少し前、近所の知り合いの方と久しぶりに会ったとき、「バイオリン始めたんだよ」と言って、ケースを肩にかけて歩いていたんです。
びっくりしましたよ、正直。
だってその方、仕事一筋の“昭和の男”って感じで、まさか音楽の世界に入るなんて思いもしませんでした。
「難しくて全然上手くならないけど、音を出すだけでも気分が違うんだよね」
そう言いながら、ちょっと照れたように笑っていました。
それを聞いてから、私もちょっとだけ考えるようになったんです。
「もし、自分が何か楽器を始めるとしたら、何がいいかな?」って。
昔ピアノに憧れたこともあったけど、今からだとハードルが高そうで。
手軽に始められるもの…と思ってたどり着いたのが、ウクレレでした。
実はこの前、楽器屋さんで思い切ってウクレレを1本、買ってしまいました。
小ぶりで軽くて、思っていたよりずっと可愛い。家に置いてあるだけでも、ちょっと気分が明るくなる感じがします。
そして先週、初めて動画を見ながら音を鳴らしてみました。
…まぁ、最初はひどいものでした。コード?なにそれ?って感じ。
でも、音が鳴った瞬間、なんだか笑ってしまいました。
「おおーっ、ちゃんと音が出た!」って。子どもみたいですよね(笑)

指も思うように動かないし、弦を押さえるのに力が入って、翌日は軽い筋肉痛。
それでも、1つのコードが押さえられるようになって、ポロンと弾けたときのうれしさといったら…。
これ、ちょっとした“成功体験”なんですよね。
しかも、家で1人でもできるし、音もそこまで大きくないから、ご近所迷惑にもなりにくい。
夜、ゆったりお茶を飲んでいるときに、ちょっと弾いてみたり。
失敗しても誰に見られるわけでもなく、ただ自分のペースで続けられる。
この「誰にもせかされない時間」って、すごく贅沢なものだったんだなって、改めて思いました。
定年後って、「自由な時間」が増える反面、少しさみしさもあるんですよね。
毎日会社に行って、誰かと話して、何かに追われてた日々から、一気にポンと自由になる。
その自由が、うれしくもあり、時々手持ち無沙汰でもあり。
でも、そんな時間を「新しいことを始める時間」にできるなら、それってすごく前向きな選択だと思います。
上手にならなくてもいい。誰かに聴かせなくてもいい。
ただ、自分が楽しいかどうか、それだけで十分。
今はまだ、コード3つくらいしか覚えていないけど、いつか「ハッピーバースデー」が弾けたらいいな。
家族や友達の誕生日に、サラッと一曲弾けたら、ちょっとかっこいいかも…なんて思ったりして。
音楽って、年齢関係ないんだなぁって、最近しみじみ感じています。
